28歳で風俗嬢になった私。~壊れ始めたNO.1の体と心~
前回、光から闇への軌跡を書きました。
【第3話】~No.1の光と闇~

No.1でいるためなら何でもやってやる。

お客様の要求全てに応じ、本番行為まで許し始めて、
何が正しいのか、何が1番大切なのか、何を守りたいのか分からない日々。

それでも褒められる事に、応援してもらえる事に嬉しさを感じたり。

そんな自分が分からなくなり、頭も心も体もバラバラになり始め、
ついに全てが壊れる時がきてしまいました。

性病になって

性病になって

「あんあん」言ってるだけで楽だなと思っていた本番行為ですが、
1日に5名様との本番行為は、まず体が疲れてきました。

膣の入り口が痛みはじめ、ヒリヒリが常に続くようになりました。
中には激しくプレイ中ほとんど挿入しているお客様もいたため、切れてしまったようです。
少量の出血もありました。
最初のうちは、さほど気にせずに市販薬を塗り、寝れば治っていました。

しばらく続けていると出血量も増える時があり、常に痛むようになりました。
それでも出血は押さえていれば止まる程度でしたので、気にしていませんでした。

おかしいと思ったのは、緑色のおりものが出た時です。
匂いにも変化があり、すぐに性病検査へ。

診断結果はカンジダとクラミジア。
カンジダは性病ではありませんが、クラミジアは性病です。
抗生物質の服用と、2週間程の休養が必要となりました。

借金返済は少し止まってしまいますが手元のお金には困ってなかったので、
「ラッキー!休めるー!」と思い、休みを満喫。

2週間後の復帰後も普段通りに仕事ができ、安心していたのですが・・またすぐにクラミジアに。
どうやら常連さんの1人と性病を交換し合っていたようです。
しかし、ほとんどのお客様と本番行為をしているため、どの方なのかは分かりません。

その時、初めて不安に思いました。
相手が治さない限り、私も治る事はありません。

自分自身もしっかり治すため、相手にも気付いてもらい治してもらうため、
その後1カ月休みました。

復帰して、新規以外のお客様が来ることが不安にも思いましたが、働かなければ借金は返せません。
「どうか、もうこんな事になりませんように」と願いながらも、本番行為は続けていました。

クラミジアは完治し、また順調に仕事に取り組んでいたところ、
またおりものに変化がありました。
3回目の性病です。
そして、3回目はクラミジアではなくマイコプラズマでした。

初めての後悔

初めての後悔

このマイコプラズマは、彼にもうつしてしまいました。

風俗で本番行為をするということは、
どんな行為でも性病になる可能性は大いにある事なんて分かっていたはずなのに。
「ゴムをつけているから大丈夫」そんな安易な考えがあったのだと思います。

不幸中の幸いは、彼には何も症状がなかった事です。
しかし、私は心配になり彼を連れて一緒に検査に行きました。
「銭湯とかトイレとかでもうつるんだって」と嘘をついて。

彼に症状は出ていなかったけれど、結果はやはり陽性。
1回飲んだだけで効果がある抗生剤を飲んだのですが、副作用は想像以上に辛いものでした。
彼は私の事を全く疑わず、
「俺、なんでこんな事になってるんだろう・・」と言いました。
私は何も言えませんでした。

なんで大切な人に、こんな辛い思いをさせているのだろう。
苦しむべきは私なのに。彼は関係ないのに。

そう気付いたのは、借金完済目前の時でした。
その時初めて、風俗で働いた事を後悔したのです。

全てが楽しくない

全てが楽しくない

彼に苦しい思いをさせながらも、性病は適切な早期治療で完治します。
彼も無事に治り、私も風俗の仕事へと復帰しました。

彼をあんなに苦しめた性病への恐怖は消えませんでしたが、
借金完済を目前にした私は風俗を辞めるわけにはいかず、
「あと少し」と自分に言い聞かせて誤魔化しての復帰でした。

本番行為を止めれば防げるものもあったかもしれません。
でも、今更お客様に「やめて」と言っても聞いてくれませんでした。
甘かったんです。考えが。
毎日仕事に行きたくない気持ちが増えていきました。

そんな中でも、もちろん支えてくださるお客様はいます。
本番行為だけではなく、全くプレイをせずに遊びにきてくれる方。会いに来てくれる方。
「あと少しだね、頑張って」「よく頑張ったね」「本当に偉いね」

私は彼や両親にはもちろん、友人にも風俗で働いている事を話していなかったので、
「頑張ってね」の言葉がとても嬉しかったんです。
ここで頑張っている事を知っているのはお客様だけ。
仕事に行きたくない、お客様に会いたくない、プレイしたくない気持ちの中、
お客様からの言葉を求めていた気持ちもありました。

行きたくない、でも行かなきゃ借金が片付かない、「頑張ったね」って言ってもらえない。
本番行為はしたくない。でも許したのは自分だ。自業自得。
借金完済目前ならば、残りは普通に働いて返していけばいい。
でも、目前だからこそ完済させてしまいたい。

様々な気持ちと考えが巡って、心と頭と体がバラバラになっていきました。

それはプライベートにも影響していきました。

最初は大好きな読書が出来なくなりました。
頭ではずっと仕事の事を考えてしまい集中できなくなっていきました。
次に大好きなバンドのライブに行けなくなりました。

突然動機が激しくなり、暑いのか寒いのかも分からないのに汗が出て、手が震えるようになりました。
夜中何回も起きるようになり、全く眠れない日も増えました。
酸素は吸えているはずなのに、苦しくて呼吸ができなくなり、目眩がして倒れました。

そんな私を見て、彼が心療内科へ連れていってくれました。
診断結果は軽いうつ病中度のパニック障害

全て風俗での仕事のせいだと思いました。
大好きな事が全て楽しくなくなりました。
また苦しくなって震えて倒れるのではないかという恐怖で、外に出られなくなりました。

あと13回出勤すれば借金完済というところで
私は風俗での仕事を辞めました。

続く
【第5話】~風俗嬢の私とこれからの私~

匿名ライターK