期待と希望を持って
前回、なぜ私が風俗でのお仕事を始めたのか理由を書きました。
【第1話】~風俗を考えた理由と、突然の決意~
両親の借金を完済するため、ただひたすら心を『からっぽ』にして初日を迎えたのです。

私が勤め始めたのは、11月でした。
風俗業界の閑散期と言われる真冬へ向かって、がむしゃらに働きました。

期待と希望を持って。

勤務、初日

勤務、初日
私が勤めたお店は、特に研修などもなく、コースの説明のみのぶっつけ本番でした。
緊張はしていませんでした。

『からっぽ』の心の中では、緊張さえも感じなかったのです。

初めてのお客様はとても良いお客様でした。
プレイの中で私に何をして良いのか、何をしては嫌なのかを1つずつ聞いてくれて、プレイはスムーズに進みました。
シャワーへの誘導や、ちょっとした気遣いの方法も細かに教えてくれて、
この方が初めてのお客様で、とても心強く思いました。

軽いSM店だったので、恐い方ばかりかと思っていましたが、
皆さん普通に良い方ばかりで、拍子抜けと言いますか・・安心しました。

その後も、新人という事もあり、
「どんな子だろう?」といった感じで、お客様に続々といらしていただけました。

皆さん「ここはこうした方が良いよ」とか、プレイに関しても、ちょっとした合間に関しても、
あれやこれや丁寧に教えてくれたり、アドバイスをくださって、
私はお客様にたくさんの事を教えていただきました。

右も左も分からず、不慣れで、至らぬ点や、不快なお気持ちにさせてしまった点も多々あったかと思います。
それでも怒ったり、クレームしてくる方はおらず、
本当に私がNo.1になれたのは、この時期のお客様のおかげだと今でも思っています。

数日後

数日後
閑散期へ向かう時期だったので、
本来ならば5名様お相手できるところ、2名様にしかいらしていただけない事もありました。
もちろん、お給料は半減です。

しかし、どこか安心している自分もいました。
お客様に来て欲しくない・・プレイしたくない・・
長い待ち時間で、そう思っている自分に気付き、
「あ、自分はプレイしたくないんだ。本当は嫌なんだ、風俗」と思いました。

働き始めて、早くも数日後の事です。

それでも、勤務後に直接数万円の現金を手渡されると、正直に嬉しく思ったのも事実です。

最初の頃は、プレイも簡単でした。
SMと言っても痛い事はされないし、お客様もスタッフも優しいし、
基本的にはこちらが受け身なので動かずに「あんあん」言っていれば、それだけで数万円です。
普通に「なんて楽なんだろう」とも思いました。

この時は、まだ心の『からっぽ』がたくさんありました。
5%ぐらいは、やっぱり自分は風俗で働きたくないんだと思う気持ちがありましたが、
両親には「エステの契約が取れた」と嘘をつき、
彼には「異動になった、昇格した」と嘘をついて毎日風俗店へ出勤する事に対しては、
「仕方ない」で片づけていました。

数か月後

数ヶ月後
勤め始めた11月~翌年2月までは、閑散期のせいもあり、
ランキングに入ることもなく、常連のお客様や指名してくれるお客様も数えられるぐらい。

3月に入ってからは急に客足が伸び、日々5~6名様のお客様が常につくようになりました。

そんな中、大体のお客様は「なんで、彼氏いるのにこんな所で働いているの?」と聞いてきます。
隠しても仕方ないので、両親の借金の事をそのまま話していました。
理由を聞かれても、答えがそれしかなので、何と答えたら良いのか分からなかったんです。

すると、皆さん泣きそうな顔をして「偉いね、良い子だね」と口を揃えて言ってくれました。
「応援するからね、また来るからね」と。

これが効果的だったのか、事情をお話ししたほとんどのお客様は気付いたら常連さんになってくれていました。
同情されている、させている感じがして、なんとなく「汚い方法かな?」とも思いましたが、
そこは変に割り切って「風俗で稼ぐのに、きれいも汚いもない」と。

本当は風俗なんかやりたくないという気持ちに少しでも気づいてしまった以上、
短期間で目標達成して、さっさと辞めたいと思ってはいたので。
使える武器は何でも使ってやろうと思ったんです。

そして、お客様には嘘はつかない。
そのままの自分で接客をして、聞かれた事にはありのまま話す。
猫かぶったって疲れるだけだし、ボロが出たらあっという間にお客様は離れていきます。
そうならないようにと思った事と、プライベートでは嘘ばかりだった事もあり、
丁寧な接客はするけれど、そのままの自分でいるようにしていました。

そう強く思わなければ、自分を見失ってしまうとどこかで感じていたのだと思います。

そういった接客や会話がお客様に喜んでいただけたのか、
「予約取れなかったよー」と言うお客様も少しずつ増え始めました。

気付いたら春、4月になっており、予約数・リピート数・指名数で初めてNo.1をとることが出来ました。
私は順位がある事すら知らず、お客様に教えていただきました。
確かに毎日のお給料も、そのまま全額返済に充てられるようになり、
「このままだと、毎日頑張れそうだな!」と気楽に思い始めた時期です。

その後、私は辞めるまでNo.1を継続できました。
しかし、それは本当に大変で辛い経験となりました。

続く
【第3話】~No.1の光と影~

匿名ライターK