画像:中高年男性の恋愛事情 会社の新入社員の女の子に本気で恋した

まともな恋をせずに来てしまった男たち

もの悲しい事件を紹介する。
男は若き日にお見合い結婚し、定年退職を前に予期せぬ離婚を妻に突き付けられ、独り身になり、そして定年後、65歳で山歩きの会に入会した。
元々口下手で社交性に乏しい彼は、初めての会合において、1人、佇んでいた。
それを気の毒に感じた45歳の独身女性が、気遣いから優しく声を掛けたという。

「初めてですか?私もまだ入ったばかりなんですよ」

20も年下の女性の、哀れみにも似た笑顔の気遣いは、残念ながら裏目に出る。
彼はこう確信したのだ。

(この女性、僕に気があるんだな)

それから数日後、彼はいきなり彼女に結婚を申し込んだ。
びっくりした彼女はもちろん、相手を傷付けないように断ろうとするものの、優しい性格が災いし、キツイ言葉を掛けることができなかった。
以降、結局彼はストーカーとなり、警察から警告を受けることとなったそうだ。

(じゃあなんであんな笑顔で話しかけてきたんでしょう??)

恋を知らず、女を知らないまま年老いた男が漏らした慟哭である。

この事件のポイントを探れば、見えてくるもの

昨今、こんな中高年男子は物凄く増えているそうだ。
モテない男はとことん女性に縁がなく、モテる男は多くの女性と恋をする―――。
「ゲス不倫」が横行するのには、そういう状況も影を落としているかもしれない。
ところでこの間の抜けた山登りプロポーズのおっさんだが、実は色んな事を中高年男子に教えてくれる「生きた教科書」でもある。彼を細かく考察し、彼とは真逆の
男になればいいのだ。そうすれば、モテる男にはなれずとも、少なくとも女性に毛
嫌いされることはないであろう。

山登りプロポーズのおっさんのダメな箇所

1、奥様が自身に愛想を尽かしていることに気付いていなかった
長年同じ屋根の下、同じ空間で2人で暮らしてきていながら、奥様の気持ちが離れ、冷めきっていることに離婚届を出されるまで気付かなかった愚鈍さと他人への関心のなさは、恋愛においては致命傷である。

2、口下手で社交性に乏しい
性質や本質がそうでも、男は歳相応の社会性は身につけておくべきである。

3、笑顔で話しかけられただけで自分に気があると思う思い込み
そんなこと、人当たりのいい女性なら誰かれなくすることである。

4、自分に気があると思えるということは、自分を客観視できていない
だいいち、65歳の、嫁に捨てられた、社交性もない、冴えないオヤジである自身を理解していれば、20も年下の女性が自分などに惚れるわけがないということに気付くはずである。今までモテてきたわけでもないだろうに……。

5、いきなり結婚を申し込むズレた感覚
恋愛経験の圧倒的な少なさの暴露に他ならない、あり得ない幼稚さである。

6、向こうがキツイことを言わなければ拒絶に気付かない鈍感さ
鈍感さと洞察力の欠如の極みと言ってもいい。フラれてる以前に一人相撲であり、恋愛という形にさえ至っていない。

7、ストーカーになってしまう身勝手さ
相手を本当に好きなら、相手の嫌がること、困ることはしないものだ。彼には自分の執着しか見えていないのである。自己愛のカタマリだ。
彼に決定的に欠けている、社会性、自己分析力、洞察(観察)力、女性という生き物への認識力、女性との恋愛経験、相手への思いやり……。

それらを、全部とはいかなくても幾つか装備すれば、中高年の冴えないオヤジだって恋ができるはずである。中高年は若い者と違い精神的に大らかであり、人に優しくもなれるものだ。加齢臭や体型、頭髪の薄さなどのビハインドは如何ともし難いまでも、若い男に比べれば小金は持っているし、人生経験も豊富ではないか!あとはどんな女性に恋をするかによって、成就する確率は変わってくるが……。
ではここで、新入社員A子(23歳)に惚れたO課長(46歳)の話を披露しよう。

会社の新入社員の女の子に本気で恋した

本社研修を終えた新入社員のA子(23歳)を事業所から社用車で迎えに行ったO課長(46歳)。
彼女が車に乗ってきた瞬間の甘い匂いと、スカートから覗く眩しい脚に不意に「ドキリ」とした自分に驚いた。
これまで「真面目一筋妻一筋」、浮気などするはずもない良き夫、良き父であった彼は、A子と出会ってから完全に変わってしまったのだ。

「「臭い」って男の社員に言われたよ~」

そう妻に言って、柔軟剤も匂いのきついものをせがむようになった。
そして、付けたこともなかった男性用の香水を振るようになり、スーツも新調、髪も頻繁に黒く染める。
そう、O課長の中で、長年眠っていたときめきが目を覚ましたのである。
A子との同行で2人で車に乗り、2人で昼食を取る日々を送るうち、彼はいつしか彼女の白い肌や艶やかな唇、目の下の泣きぼくろ、豊かな胸の輪郭などに、気取られないようにしょっちゅう視線を泳がすようになった。

(ああ、これは恋なのか……?)

自分にも分らぬまま、何とかA子との新人同行営業研修が終わるまでの間に、想いを告げようと決心した彼。

そして同行最終日、遂に彼は意を決する瞬間を迎える―――。

この恋に賭ける―――。

「橘君は既婚者と恋愛なんかできないタイプだよね?」

「えっ……?そりゃ独身の男性の方がいいですけど、でも、私不倫したことありますよ(笑)バイト先の店長と付き合ってましたし……」

「そ……そうなの!?」

「ハイ(笑)既婚でも課長みたいな人なら全然OKかも~(笑)」

その夜、O課長は結婚以来、初めて妻以外の女性が作ったカレーを食べることになった。
彼女の部屋に誘われ、手料理を振る舞われたのだ。
ジーンズにパーカー姿に着替えたA子の美しさとみずみずしさに、彼は息をのみ、密かに決意をした。
ことの是非はともかく、彼女は自分が生涯、初めて本気で惚れ、最後に恋をする相手だ。
(行けるとこまで行こう―――)
そんな直情的になったのは生まれて初めてだった。

これは、本当の恋だと思う。